受賞発表
受賞発表
The 6th Japan BeautyTech Awards には69件の応募があり、その中から15件が一次審査を通過しました。二次審査ではこの15社がプレゼンテーション・質疑応答を行い、大賞および準大賞各1件、特別賞2件が選出されました。
審査は各方面で活躍する5人の審査委員によって「革新性」「事業性」「技術性」「社会性」「内発性」という5つの審査評価基準に沿って行われました。
<概要>
世界中で日やけ止めの重要性が高まる一方、生活者からは「塗っても焼ける」「使用感が重く不快」といった声が寄せられている。花王では、これらの課題は、塗布ムラや、不十分な塗布量による紫外線防御不足、そして油性感や白浮きなどによる使用意欲低下が要因と考え、解決のために、みずみずしい使用感を叶えるウォーターベース(Oil in Water)に独自のカプセル技術※を組み合わせた。
※カプセル技術
通常油になじむ性質を持つ紫外線防止剤を、ミクロカプセルや寒天ハイドロゲルカプセルに内包し、日やけ止めの水相部分に安定分散させ、肌に均一持続塗膜を形成する技術。肌の微細な凹凸まで紫外線防止剤を行き渡らせ、軽やかでみずみずしい使用感でありながら、高い紫外線カット効果を叶える
2025年には、さらにこのコア技術を基盤にしながら、新しい価値を付加したノンケミカルの日やけ止め「ビオレUV アクアリッチ ウォータリーホールドクリーム(水肌記憶UV)」、手に取ったときの感触や使用感の面白さや快適性を追求した「ビオレUV アクアリッチ エアリーホールドクリーム(呼吸感ベールUV)」を開発、上市。日やけ止めの「高防御 × 快適性」を引き上げた
<審査委員コメント>
日焼け止めは、効果と使い心地の両立、さらにはサンゴ礁を始めとする海洋環境への影響など解決すべき課題の多いアイテムであり、そのなかで基盤技術の圧倒的な蓄積をもとに、使い心地や機能性のバリエーションを実現し、日本・アジアを中心に大きな成功を収めつつも、製品のさらなるエクステンションと海外市場拡大を追求している。
<概要>
コップ1杯程度の水で洗髪できるミストブラシ&ミストシャンプーセット。入浴が困難な方や水を使用する事が制限されている状況で、お風呂で頭を洗ったような気持ち良さ、さっぱり感を提供する。
<審査委員コメント>
「いつでもどこでも『心地よい清潔』を提供する」という企業ミッションを掲げ、介護や避難所などの現場でのアンメットニーズの充足に取り組む社会性の高い新規事業。革新的なコンセプトに基づき実用性のある製品として開発、上市に漕ぎつけた。
<概要>
先進の資生堂サイエンスと日本的美意識をデザインしたラグジュアリーな空間を融合。アート&サイエンスを体現する研究所で体験する"美の検診"サービス。人間の全体性(肌・身体・心のつながり)に着目した美を科学する「Beauty Artscape」を応用し、"肌"だけでなく鼻の骨格や歩容(歩き姿)など"身体"の内側から肌の素質を分析し、自分の五感と向き合う"心"まで、全部で13の測定を実施。それにより、肌・身体・心のつながりが分かる144通りのArtscape IDが導き出され、3年後、そして未来の姿を可視化する。
<審査委員コメント>
肌と身体と心をホリスティックに扱う美の概念を拡張するコンセプトを基に、資生堂の持つ様々な知見を総合した、ユーザーにとって魅力的なサービスである。同時に、研究員や専門のBeauty Artscape®アドバイザーが一人一人の顧客と向き合い、深いインサイトを得られる点は、リビングラボとして今後のR&Dアプローチに示唆を与える。
<概要>
組合せ最適化を用いた処方設計により開発したクレンジング美容液であり、毛穴角栓の溶解・除去を目的とする製品である。従来、化粧品の処方開発は研究者の経験や試行錯誤に依存してきたが、膨大な探索空間から量子コンピュータを活用することで、高速に候補探索を行い、従来にない成分組み合わせの発見による角栓溶解性の向上を実現した。角栓に関する課題に対しては、溶解挙動の評価指標として「溶解度パラメータ」に着目。この指標により角栓の溶けやすさを数値化し、個人差を考慮した最適化を実施。1,000億通り※1を超える組み合わせから、量子コンピュータを活用して10秒ほどで有望な配合を算出した。
※1 クレンジングに適した成分の選定および配合量の組み合わせ(概算値)
<審査委員コメント>
毛穴・角栓という多くの人が悩むスキンケアの課題を定量モデルとして扱い、解の探索を効率化するプロセスで、これまでのアプローチでは難しかった最適解にたどり着き商品化に成功した。「量子コンピュータ」というキーワードで世間の注目を集め、マーケティング的にも大成功した。
The 6th Japan BeautyTech Awards | 2025では、次の企業のほか計15社が一次選考を通過し、ファイナリストとして二次審査に進出しました。(社名50音順)
株式会社アルガルバイオ「微細藻類バイオファウンダリー」
株式会社Curly Me「くせ毛や天パを魅力に変えるCurly Me(カーリーミー)」
花王株式会社「高い紫外線カット効果と快適性の両立を実現する"均一持続UV防御塗膜技術"」
牛乳石鹸共進社株式会社 「服を着たまま洗髪出来るポータブル洗髪デバイス『SUSUGU(ススグ)』」
株式会社コーセー「量子コンピュータによる最適解から生まれたコスメデコルテ AQ 毛穴美容液オイル」
株式会社資生堂「Shiseido Beauty Diagnosis Lab」
株式会社ちとせ研究所「藻を活用したPET樹脂の社会実装を目指す、PET-MATSURIプロジェクト」
日本メナード化粧品株式会社「一人ひとりの顔を再現した人工全顔皮膚モデルの開発」
パラマウントベッド株式会社「DE&I対応型ヘルスリテラシー研修と更年期当事者の不調改善伴走支援プログラム」
ポーラ化成工業株式会社「 ミラースキン」
三菱商事ライフサイエンス株式会社「化粧品原料 ファルベレシリーズ」
ヤーマン株式会社「オーラルリフト」
ライオン株式会社「inquto口内美顔器VRインナーリフト」
リジェネソーム株式会社「DNAメチル化情報を活用した『エピジェネティック時計』の活用」